ビタミンCの品質は大切です

点滴に使われるビタミンCの品質のお話です。

患者さんが『今まで他院で保存料の入ったビタミンCの点滴をしていたけれども、保存料の入っていないビタミンC点滴を受けたい』ということで来院されました。

G6PDという酵素が欠損しているとビタミンC点滴で溶血を起こします。

日本人でこの酵素が欠けている方は少ないのですが、この酵素活性を測定して安全を確かめてから点滴を行います。

検査は数分でできます。

当院の高濃度ビタミンC点滴は『保存料が入っていない』ということだけではありません。

ビタミンCは温度の変化に敏感で変質してしまうため、温度管理が重要です。このため購入費用が高くなっても、海外の工場からクリニックまできちんと冷蔵輸送されているビタミンCを使用しています。

先日ご紹介した本の中にもこのあたりのことは詳しく書かれています。

点滴でアンチエイジング

 

ビタミンCは造血幹細胞の機能を調整し、白血病の発生を抑える

あの有名なNature誌に『ビタミンCは造血幹細胞の機能を調整し、白血病の発生を抑える』という研究結果が発表されています。

Natureのサイト

ヒトやマウスの造血幹細胞はビタミンCを多く貯蓄しているようです。

だから高濃度ビタミンC点滴をという単純な話ではありませんが、おもしろい研究結果です。

 

 

点滴について詳しく書かれた『奇跡をおこす 点滴でアンチエイジング』が出版されました

『奇跡をおこす 点滴でアンチエイジング』が出版されました。

点滴療法研究会会長の柳澤厚生先生が執筆されています。

高濃度ビタミンC点滴、グルタチオン点滴、マイヤーズカクテル点滴、キレーション療法、プラセンタ療法、オゾン療法などについてわかりやすく解説されています。

点滴療法のメリットは、ある成分を口から摂ることでは到達できない血中濃度まで高めることで効果を発揮できることです。点滴療法は当院でも行っており、巻末の点滴療法実施クリニック一覧にも掲載されています。

またこの書籍の販売も行っております。(税別1400円です)

ご興味ある方はおたずねください。

高濃度ビタミンC点滴が前立腺がんに効く?

リオルダンクリニックは分子栄養医学の総本山のようなところです。

そのリオルダンクリニックから『高濃度ビタミンC点滴をすることによって前立腺がんのがんマーカーの伸びが低くなった』という論文が発表されています。

Changes in the rate of PSA progression and the level of alkaline phosphatase during high dose vitamin C treatment of patients with prostate cancer

PSAというのが前立腺がんのがんマーカーです。

これとは別の話ですが、赤血球の膜が酸化ストレスによって破壊され、溶血すると血液中のビリルビンの値が高くなります。

高濃度ビタミンC点滴をするとこの溶血が抑えられたりします。

おもしろいですよね

 

高濃度ビタミンC点滴が敗血症に有効だった

敗血症というのは、感染症をおこして、細菌が血液内で増殖している状態です。

ひどければ早晩ショックをおこして死亡する可能性が高くなります。

ビタミンC点滴単独ではありませんが、これまでの治療に併用したところ、敗血症を改善するのに、 高濃度ビタミンC点滴 が有効だったということです。

詳しい内容はこちら

ビタミンCと敗血症

高濃度ビタミンC点滴 にはほとんど副作用はありませんから、とても興味深い話です。