ケミカルピーリング(chemical peeling)とは、単純に訳すと お薬(chemical) で 剥ぐ(peeling) という意味ですが、お肌に薬剤を塗ることで余分な角質を除去し、皮膚の新陳代謝を高めることで、くすみや毛穴、にきび、お肌のハリやツヤを改善する治療方法です。
ケミカルピーリングに使用する薬剤はフルーツ酸とよばれる酸の1種ですが、さまざまな種類があり、それぞれの薬剤によって特徴があります。
グリコール酸ピーリングはもっとも早くから広まったピーリングです。
グリコール酸の特徴は水溶性で、低濃度から高濃度まで種々の薬剤の濃度のお薬があるため、ピーリングの程度の強弱をつけやすいというメリットがあります。
角質剥離作用のあるディフェリンが保険診療でニキビ治療に用いられるまでは、美容クリニックだけでなく、多くの皮膚科でも使用されていました。ディフェリンは毎日塗らないといけないというわずらわしさや、いったんニキビがひどくなってしまうことがありますが、そうしたことなくグリコール酸ピーリングはいまできているニキビを即座に治すために用いられています。
様々な濃度のグリコール酸を使い分け、ニキビがひどいときには場合によっては1週間ごとにピーリングを行い、状態がよくなれば間隔を伸ばしていきます。
もともとのサリチル酸ピーリングはピーリングの程度の調節がやや難しいものでしたが、マクロピールとなって容易に安全性の高いピーリングができるようになりました。油溶性なため、毛穴一つ一つに入り込み皮脂の詰まりを取り除くことでニキビや脂性肌の改善、毛穴の引き締めに効果的です。美白作用が強いことも特徴です。
約3週間から1ヶ月に1度の治療を複数回行います。
ミルクピールはフランス発の新しいピーリングです。
これまでのピーリングは1つの薬剤のみで行われることが通常でしたが、ミルクピールはグリコール酸、乳酸、サリチル酸を絶妙な割合で配合した複合ピーリングです。
複合させることで各々の薬剤のいいところを組み合わせたピーリングとなっています。
くすみ・小じわ・ハリ・ニキビ・毛穴など幅広い症状の改善が期待できますが、ミルクピールの大きな特徴はお肌のツヤをだす作用が強いことです。
パーティーピールと呼ばれることからもわかるようにパーティーにでかけるための準備として行われるピーリングとしても用いられています。
2週間に1回のピーリングを4回行うのが標準ですが、パーティーなど人前にでる機会の前にだけ用いるというような使い方もできます。
一時的な赤み、治療箇所のほてりがありますが、治療後すぐに冷却しますので、お帰りの際にはほとんどの方が落ち着かれています。
治療後は一時的に、お肌が敏感になり、乾燥しやすくなったり、日焼けをしやすくなることがありますので、充分な保湿と日焼け対策をお心がけください。