

2009年11月24日
ここでいうホルモン補充療法とは更年期以後の女性に2種類の女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチンという人工プロゲステロン)を補充することにより更年期障害の改善をはじめさまざまなメリットを得ようとする方法です
2002年 7月に、米国国立衛生研究所(NIH)から、HRT(ホルモン補充療法)についての大規模調査結果(WHI報告)が公表されました
一般的に本邦のほとんどの病院で行っているのと同じ、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチンという人工プロゲステロン)を併用するホルモン補充療法群と偽薬群(プラセボ)で各疾患の発症比を比較検討しました。
50歳から79歳の健康な?閉経女性16600人を対象として、各疾患の発症とホルモン補充療法の関連性について、調査を行いましたが、合併症があまりに多すぎるため途中で中止になりました
偽薬群の発症率を1とした場合、ホルモン補充療法を行うと、大腸癌が0.65、子宮内膜癌が0.83と低下したが、反対に心臓疾患が1.29、脳卒中が1.41、 肺塞栓症が2.13、乳癌が1.26と増加が見られ、総合的にはリスク(デメリット)がベネフィット(メリット)を上回ると判断され、当初予定 8.5年のところ、5.2年で臨床試験を中止しました。
このため欧米の閉経女性のHRTの安全性について疑問視されるようになり、実際にこの報道以降欧米では多くの人がホルモン補充療法を断念したといわれています
これに対し、WHI報告は普通の更年期女性の集団ではなく、ある程度偏った集団の結果として理解すべきで
・WHI報告の被験者集団は、HRTを通常利用する集団と異なり、平均年齢63.3歳と高齢である
・対象者の多くが肥満しており、約35%の人が高血圧症で、対象者の約半分が過去、または今もタバコを吸っているなど、対象者の健康管理の状態はあまりよくなかった
・白人と東洋人と人種差による体質の違いもある
などの問題点も指摘されており、やや見直しの機運があります。
しかしもともとHRTの普及率の少ない保守的な日本で、この結果を受けて、HRTをやろうという人は少ないと思います
自分の家族にはこのタイプのHRTは行いません。行うとすれば天然ホルモンによるホルモン補充療法を選択すると思います。
天然ホルモン補充療法に関する書籍も出版されていますので、これを読めば上に書かれているようなことについてさらに詳しくわかります。興味があっても自分では行わず、経験のあるクリニックで行ってください。
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