さくら美容クリニック

院長ブログ

美容皮膚治療の考え方①

2018年11月26日

以前にも説明させていただいたことがあると思いますが、今日は美容皮膚治療の理論的なお話です。

少しややこしいと感じられるかもしれませんが、理論がわかると得をします。

世の中にはいろんな治療や治療機器があるわけですが、受ける側が内容を詳細に理解できないのは仕方がないところもありますが、実は治療を行う側が理論をよくわからずに治療していることもよくあるのです。

つまり治療を受ける側が理屈を知っていればはじめから何が有効か、あるいは無効かがわかることも多いので、自分が治療を受けたいと思った時に、賢く選択して治療を受けることができるようになります。

肌の成分のうちシミに関連するメラニンは黒く、赤みに関連する赤血球の成分である酸化ヘモグロビンは赤いので、シミを消すためには黒いもの(メラニン)をターゲットとして治療し、赤みを改善するには赤いもの(赤血球)をターゲットとして治療します。正確にはメラニンはメラニンを産生したりメラニンをもっている細胞やその周囲の組織、ヘモグロビンは赤血球が流れている血管がターゲットです。

これは光の吸収の度合いをあらわすグラフです。縦軸は皮膚に吸収される度合い、横軸は光の波長を示しています。

YAG(532nmあたり) dye (595nmあたり) ルビー (694nmあたり) アレキサンドライト (755nmあたり) ダイオード(800nmあたり) YAG(1064nmあたり)となっているのはそれぞれのレーザーの名前と波長です。YAGレーザーは1064nmとその半分の波長である532nmの2つの波長のレーザーをだすことができます。

例えばメラニンと書いてある黒い線をみてみるとだいたい右下がりの線ですので波長が短い方が吸収されやすく、波長が長くなるほど吸収されにくいとここでは読みます。

メラニンはシミに関連するのだから、400とか500nm(ナノメーターと呼びます)とかの吸収されやすい波長の短い(数値の低い)光で治療すればいいのではないかと思われるかもしれませんが、そこまで単純な話でなく波長は長くなるほど皮膚の奥深くまで届き、短いと深くにまで届きません。

つまり波長は長すぎても短すぎてもダメでバランスが大切です。通常最も効率よくシミ治療ができるのはルビーレーザー(694nm)くらいの波長とされています。

あとはこのグラフでは表現されていませんが、パルス幅といってレーザーがでている時間の条件も加味する必要があります。。

皮膚深くにあるシミを治療する場合はQスイッチルビーレーザーと呼ばれるレーザーが用いられることが多いわけですが、Qスイッチレーザーは一瞬の間に高いエネルギーを出すことのできる(パルス幅の短い)レーザーです。

高いエネルギーをじんわり時間をかけて照射すると周囲の正常な組織にもダメージを与えてしまうので、これを避けながら高いエネルギーを与えるためにQスイッチという装置がついているのです。

レーザーが照射される時間がQスイッチはns(ナノ秒),その他のノーマルレーザーではms(ミリ秒)と1000000倍照射時間が違い(1ns=0.000001ms)、Qスイッチレーザーは2億分の1秒といった短い時間だけレーザーがでているのです。

このためシミ治療をしっかり行っているクリニックにはQスイッチルビーレーザーが導入されています。

最近ではピコ秒レーザーといってさらに短い時間に光を照射できるレーザーがでてきていています。

ただなんでも短い時間に高エネルギーをだすことがいいわけではありません。脱毛などの目的であればメラニンや毛を破壊するだけでなく、その周囲の毛の生えるもとにダメージを与えるためにmsレベルの長い照射時間でしかもさらに皮膚深くにレーザー光が届くダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザーを使用します。たとえば毛にQスイッチレーザーを照射すれば、毛の中のメラニン色素は破壊されて、毛の色はなくなりますが、毛が生えるもとはダメージを受けないので新しく普通の毛が生えてきて脱毛効果はありません。

目的に応じてレーザーの種類や波長なども考慮しながら治療を行うことが必要となるのですが、Qスイッチレーザーなどでしか治せないADM(思春期以後にできる深いシミ)というシミに効果のない光治療が漫然と行われていたり、肝斑でないシミに肝斑だと間違った診断がされて治療されていたり、その逆であったりすることが問題です。

 

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