2021年02月15日
『思春期のワキガは手術しても再発するので手術しない方がいい』と説明するクリニックもありますが、当院でワキガ手術をした方は思春期も含め再発した方はこれまでおられません。
ではその違いはどこにあるのでしょう?
ワキガの再発というのは本当は再発でなくアポクリン腺の取り残しだと僕は考えています。
ここで詳しい説明を加えてみたいと思います。
手術前のワキです。
毛の生えている範囲をマークしてみると
そして切開を加えてアポクリン腺を露出すると
真ん中には多量のアポクリン腺があります。
しかしアポクリン腺が存在する範囲をどんどん追いかけながら剥がしていきその先端まで指を差し込んでみると
毛の範囲をはるかに超えて剥がしているのがわかります。
その剥がした一番先(指先部分)をひっくり返してみると
まばらではありますがここにもアポクリン腺が見られます。
わかりにくいかもしれないのでアポクリン腺をマークすると
このアポクリン腺も含め、アポクリン腺はすべて丁寧に除去します。
もう一度元に戻ってアポクリン腺を除去した範囲を見てみましょう。
赤く囲った部分がアポクリン腺を除去した範囲です。
そしてわき毛が生えていた範囲をオレンジでマークして示すと
毛の範囲をはるかに超えて手術しているのがわかります。
広く手術するということはその分大きなダメージを与えるわけですから、傷をできるだけきれいに治すために丁寧に縫合します。
一般的にアポクリン腺を除去する範囲を決める時にわき毛の範囲を参考にして範囲を決めることが多いと思いますが、このケースでは毛の範囲とアポクリン腺の範囲が全く違っているわけです。
つまり毛の範囲だけを手術していてはアポクリン腺は全くとり切れないことになります。
剪除法だけが目で確認しながらアポクリン腺を除去しており、目で確認しない治療方法はそもそもアポクリン腺の存在する範囲がわからないまま治療しているのです。
しかもその剪除法でもアポクリン腺をきちんと確認して除去しなければワキガは治りません。
ワキガが治るかどうかはアポクリン腺が本当に取り切れているのかどうかにかかっていると思います。
お子様のワキガ手術についてのQ&Aはこちらです。
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