2009年10月27日
サーバリックスという子宮頸癌予防ワクチンが承認されました。
子宮頸がんは45歳以下の女性のがん死亡原因では世界で2番目に多く、毎年27万人以上が死亡しています。日本では毎年約7000人が子宮頸がんと診断され、約2500人が死亡、特に20~30代の発症率の増加が顕著です。僕が以前勤務していたクリニックのスタッフも20代でこの病気で亡くなりました。国立がんセンターの人口動態統計がん死亡データでは、対人口10万人の年齢別死亡率を昭和60年と平成17年で比べると、20代後半は5.0倍、30代前半は1.8倍、同後半は2.2倍、40代前半は2.0倍と増加傾向にあります。
子宮頸癌の主な原因は、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染とされています。HPVはありふれたウイルスであり、7~8割の女性が一生のうち一度はHPVに感染するといわれています。たいていは自然消滅しますが、約1000人に1人確率で、持続感染をおこすことがあり、感染してから何年も経ってから癌を発症することがあります。
試験ではこの薬を接種した15歳~55歳の女性全員(100%)において、ヒトパピローマウイルス(HPV:human papilloma virus)16型および18型に対する抗体ができることが確認されています。
HPV16型および18型は、子宮頚癌の全症例の原因の約70%を占め、サーバリックスによる子宮頸癌予防が期待されています。
サーバリックスの接種対象者は10歳以上の女性で、通常、1回0.5mLを3回(初回、初回から1ヵ月後、初回から6ヵ月後)、上腕の三角筋部に筋肉内接種するようです。
長妻昭厚労相は記者会見で、サーバリックスの定期接種(公費負担)化について「ワクチンの費用に関しては、新型インフルエンザワクチンを含め財源の問題がある。皆様方のご意見を聞いて考えていきたい」と述べられています。
自分で気をつけて、癌もワクチンで予防する時代?
本当に予防できる?
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