手術後の通院は少ないほうが良い?

わきが術後4ヶ月目の検診がありました

もちろんワキガ臭はまったくなく、汗もかかないとのことで、毛もまったくない状態です

この時期としては当然の経過で特に意味はありません

この方の友人が同時期に他院で吸引法?(小さな穴をあけてガサガサとる方法と言われていました)の手術を受けられました

現在中心部はある程度毛が減っているが、周囲にドーナツ状に毛が残っていて、臭いも残っていそうだというお話でした

術後4ヶ月目でこのような状態は論外ですが、毛がなくなるかどうかというのも効果的な治療が行えているかどうかの判断の一つですが、術後検診もクリニック選びの判断の1つとなります

いいかげんな手術でも手術で傷つけたことによる影響で手術直後は臭いはなく、手術後6ヶ月くらいしてから再発がはっきりしてくるからです

このためいいかげんな治療を行っている場合には6ヶ月以上たってからは来て欲しくない、つまり術後検診をしたくないわけです

『術後あまり通わなくていい』と通院の少なさをアピールしていることがあります

『通院が少なくてすむ』と言えば聞こえがいいですが、実は通って欲しくないというのが本音です

術後6ヶ月以上たって再発がはっきりする時期になれば、通院時に『臭いが残っている』とクレームを言われるからです

『もう来なくていいよ』といわれると通いにくいようですが、それにしても再発があっても多くの方があきらめてしまうというのは驚きです(これは他院で手術を行ったが再発した方が多数来られてそう言われるのでわかるのです)

僕は少なくとも術後1年くらいはたまには検診をお受けになるようにおすすめしています

自分が行った手術の後がどうなっているのかを確認することは大切です

これは他の手術でも同様です(本当は再発することがないので確認することがうれしいのです)


   







湿潤療法 傷は乾燥させずにしっとりさせている方が早く治る 

キズパワーパッドというばんそう膏が 傷が3倍早く治る と宣伝されて市販されています

15年以上前 大学の外科の抄読会(勉強会)の際に湿潤療法の理論を紹介した外国の文献を読みました

当時の周囲の反応は『なんじゃそれ』という感じであまり反応がありませんでした

外科をしていた時に傷のきれいな治し方に興味を持っていたというのは、それも現在の美容診療につながっていたのでしょうか?

アルミホイルを使ってイソジンゲルによる湿潤療法(本当は消毒剤が入っていないほうがよい)で指先のケガを治療していたのを思い出します

今の保険診療のしくみはよく知りませんが、当時は通院回数によって病院の収入が決まっていたので、保険適応のない高額な材料を使って、しかも通院を少なくするということは現実問題として難しかったということもありますし、傷を消毒しないという今までとはまったく正反対の治療法でしたから、湿潤療法の急速な普及は難しかったのだろうと思います

その後、外科から美容外科に転身し、働いていた頃、患者さんが指先のケガをして

骨を削って皮膚を縫い合わせる断端形成という処置をすすめられていました

その時保険診療で湿潤療法を行っている病院を紹介して、そこで断端形成せずに湿潤療法で治療し、指先が短くならず元通りに治ってとても感謝されました

もしころんでケガをして擦り傷にアスファルトなどの異物が入った場合には必ずすべてきれいに取り除いておくことが必要です

さもないとばい菌がついたり、治っても外傷性刺青という異物が残ることによる刺青になってしまいます(よく相談に来られます。Qスイッチレーザー治療を行います)

その後は湿潤療法です

夏目 睦 医師が一般向けの本も書いておられますので興味のある方は読んでみてください

しかし湿潤療法をずっと行っているとわかるのですが、うまくいかないことも実際にはあります

何にでも例外はあります

うまくいかないのに自己処置だけを続けるというのは禁物です

ケガやヤケドをした場合も美容治療を受ける場合も湿潤療法に詳しいクリニックにかかりましょう



   





ニキビ跡を治したい

こんにちは

今回はニキビ跡のへこみや長く続く赤みなどについての治療のお話です

これらに対し、グリコール酸ピーリングやマクロゴールピーリングなどの弱いケミカルピーリングや塩などを吹き付けて削ったり、ダイヤモンドが表面についた金属の棒で削ったりする治療が行われている場合もあると思いますが、これらは皮膚の表面の角層を削る治療であり、ニキビ跡は皮膚の奥深く真皮までへこんでいるので効果はありません

つまり皮膚をかなりの深さまで入れ替えるような治療でないと効果はでないわけです

そこで考えられたのがフェノールなどによるディープピーリングや炭酸ガスレーザーによって顔全体の皮膚の表面をかなりの深さまで蒸散させる(吹き飛ばす)治療です

しかしケロイドや色素沈着のリスクが大きいことや長い入院が必要でダウンタイムも大きな治療のため、一般的に行うということはできませんでした。

今行われている治療は、部分的な治療としてはTCAなどのピーリングや炭酸ガスレーザーを使って中程度の深さまでそのへこみの局所だけを削る治療です

これはへこみの部分をわざと傷つけて自己治癒力を使って治す方法ですね

そしてへこみが多数ある場合や長く続く赤みがある場合は、TCAピーリングや炭酸ガスレーザーを全体に行うわけにはいかないので、フラクセル2を代表としたフラクショナルレーザーで治療します

皮膚に細かくレーザーを照射することで安全に皮膚を入れ替えることができます

美容皮膚治療に熱心なクリニックは必ずフラクショナルレーザーを導入しています


   







ニキビはビタミンA欠乏症ではありません

前回までニキビ治療にさまざまなタイプのビタミンAが使われているというお話をしました

しかし ニキビ=ビタミンA欠乏症 ではありません

皮膚の状態は、からだの内側の様子を、表面に反映していると考えられます

つまりニキビもからだ全体の状態の反映であると考えられます

僕がニキビ治療を行うときには、必ずこういったからだの状態を改善させる治療を併用しています

具体的にはまず血液検査を行い、足りない栄養素を補給するのです

ニキビの方の場合、ビタミンAだけでなく、鉄や亜鉛、ビタミンB・C、たんぱく質などをとっていただくことが多くなります

またニキビは油がたまる病気ですが、油を制限するより、糖質を制限することが多くなります

これらは基本的に多種類の血液検査を行い、分子整合栄養医学的に解析を行い、投与する栄養素やその量を判断するのです

気血水を整えるなど考え方は少し違いますが、漢方治療も皮膚の状態は、からだ全体の状態の反映であると考え、治療を行うのです



   







ニキビにはビタミンAが効く

皮膚は表面から表皮、真皮、皮下脂肪からなります

この表皮の大部分は角化細胞といわれる細胞でこれにメラニンを作るメラノサイトなど他の細胞が混在します

表皮の構造は下から順に基底層、有棘層、顆粒層、透明層、角層となり、角層は剥がれ落ちていきます

もともと未成熟な細胞が例えば心臓の細胞となったり、肝臓の細胞となったりすることを分化するといいます

皮膚の中の表皮のなかでも基底層から角層まで分化していくわけです

ビタミンAはこの分化に強くかかわるビタミンです

分化を正常にして、余分な角層を減らし、結果的にニキビが治ります

医療で使われる ビタミンA にはいくつか種類があります

大きく分けて 外用(外から塗るタイプ) と 内服(飲むタイプ) があります

外用には ディフェリン  レチン(トレチノイン)など があり

内服には サプリメントのビタミンA  や ロアキュテインやアキュテインと呼ばれる単一構造のビタミ ンA(イソトレチノイン)薬があります

レチンは、主に ちりめんじわ などを改善させるお薬です 

もちろんこれもニキビに効くわけですが、より使いやすいように刺激感や赤みなどの副作用を減らしたものがディフェリンです

しかし副作用を抑えている分、逆にシワなどには効かなくなっていると思います

ロアキュテインなどの内服のビタミンAは、海外では重症のニキビの標準治療薬です

数ヶ月の内服でニキビがほとんど再発なく治ります

ただ奇形児の問題があり、内服後期間を空ける必要があるなど妊娠に注意が必要なことや乾燥も強くおこりますし、肝障害や精神障害など他の副作用もありますので、治療は血液検査をしながら慎重に行います

サプリメントのビタミンAは天然のビタミンAで効果もマイルドですが、ロアキュテインのような副作用がありませんので使いやすいビタミンAです

このようにニキビ治療にはビタミンAが大活躍しています