まずメールで最近患者さんからいただいた質問とそれに返答した答えです。
患者さんからの質問から
『剪除法のクリニック探しをしていて、SNSなどで症例写真を見て気になるところがありました。
貴院で剪除法を行った患者さんの手術後の特徴は以下のとおりでした。
①汗も臭いも全くなくなった。
②症例写真を見ると、半年以上経っても色素沈着が幅広に残っている。
一方で他院の患者さんの特徴は以下のとおりでした。
①汗も臭いも全くなくなるわけではない。
②半年くらいで傷跡が目立たなくなる。
①については文句なしで貴院の腕の良さが分かったところですが、
やはり②については、どのような違いがあるのか気になってます。
患者さんの声を聞くと、剥離時間が長い(それだけ丁寧に汗腺を取っている)のが影響しているものかと思っています。
貴院では、術後一年後の状態をあまり見ることがない、とのことでしたが、
一年後の状態が分からないのに「美容クリニックとして整容的にも工夫している」とは、何を根拠に仰っておられるのか気になりました。
可能な限りブログでも、術後の経過写真がアップされるとイメージつきやすいのかなと思ったりしました。
(患者さんの協力ありきかと思いますが)
関東の患者は病院探していると、東京のクリニックと貴院を比較するのが最終地点な気がします。』
それに対して次のようにお答えしました。
『ノウハウのすべてをここであかすことはできませんが、様々な工夫を行っており、時間的には剥離や剪除にかかる時間が長いのではなく、きれいに治すためのアンカー縫合などに要する時間が長いのです。
正確な比較といえるかわかりませんが、例えば10センチ切るのと5センチ切るのとはそもそも傷跡の残り方に差があります。どちらもきれいに縫い合わせれば10センチ切ったほうが傷跡が目立つ可能性が高くなります。
ただ10センチ切ってきれいに縫い合わせるのと5センチ切って適当に縫い合わせるかあるいは縫い合わせないのとでは10センチの傷跡の方が目立つかといえばそうでないかもしれません。
しっかり手術すればダウンタイムも長くなり場合によっては傷が残る可能性があるのは当然ですので、それを気にされるのであればワキガ臭が残ることはあきらめてダウンタイムの短い手術を受けられるしかないと思います。』
ここ最近わきがの他院手術後の再発の手術が特に多いのですが、数えてみると最近の13件の手術の内9件が再発の方でした。
最近の例では約7割が再発の方の手術ということになります。
つまりこの方たちの初回の治療はまったく無駄になってしまっているわけです。
この再発した方が治療を受けられたクリニックで治療を受けられた他の方はもしかしたら満足されているのかもしれません。でもアポクリン腺が多量に残っているケースも多々ありますから実際にはほとんどの方がわきが臭が治っていなくて気にされているかもしれません。
当院ではわきが臭は完全に治したうえで、できる限りきれいに治るように努力しているというだけです。
手術を丁寧に行っているだけでなく、手術後の処置もできるようにできるだけ診察に来られることもおすすめしています。傷が膨らんだ時には注射治療を行うこともありますし、色が気になる場合はレーザー治療を行うこともあります。術後2年は無料でこのような処置を行っています。これは1年以上たっても再発がない自信があるためこのようなことができるのです。ただ実際には1年以上経ってから診察に来られる方は少数です。これはきれいに治っているのか傷をあきらめておられるのかはわかりません。遠方から来られている方は来院しにくいのかもしれません。
どこでどんな治療を受けられるかは患者さんの自由ですし、その方にとってのベストな治療はひとそれぞれ違うのかもしれません。