ワキガ・多汗症の手術・治療

うぶ毛脱毛の新理論

メディカルビューティフォーラムに参加してきました

その中からいくつかお話したいと思います

まず脱毛時に問題となる『うぶ毛脱毛』についてです

通常の毛は2040ms付近のパルス幅のレーザーが良いとされていましたが、うぶ毛を脱毛するのにも30ms付近のパルス幅のレーザーが良いという新理論です。

レーザー脱毛はレーザーによって黒い毛が焼けるために、毛の周囲にある毛の生える元がダメージを受けて毛が生えなくなるとされています

ここから少し難しくなりますが、毛を焼くためには、しみを取るのとは違った条件でレーザーを当てることが必要です。

以前のブログでも言及しましたが、しみの中のメラニンを標的にするときと、毛のように大きな物体を標的とするときは、レーザーの条件が違い、脱毛ではレーザーを出している時間を長く取る必要があります。専門的にはパルス幅を長くとるといいます。

このパルス幅が、ある脱毛レーザーでは30 ms、あるレーザーでは20ms、また別のレーザーでは3msというように脱毛レーザーの中にもばらつきがありました。

以前のレーザーの理論からは通常の毛は2040ms付近がいいが、毛の中ではうぶ毛は小さいものなのでパルス幅が短いものがいいのではないかと理論的には言われていました。しかし巷では実際には30 msのレーザー光を使うライトシェアのダイオードレーザーがうぶ毛にも効きやすいと言われていました。

今回の発表では3ms30 ms100 msのレーザーを照射して標本組織をとって比べると30msが毛の生える元に一番ダメージを与えていた(つまり脱毛効果が高い)という結果が示されており、今回の発表が正しければ通常の毛もうぶ毛も30ms付近のパルス幅をだすレーザーがいいということになります。


           


レーザー脱毛裏話その2

エステは既得権のように脱毛を行ってきたわけですが、厚生労働省は、脱毛は医療機関で行わないといけないという見解を示しています。

「厚生労働省ホームページ:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取り扱いについて」http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/131109-a.pdf

レーザー脱毛が医療機関で始まった当初は『レーザー脱毛は一時的な脱毛だ』とエステがネガティブキャンペーンを拡げました。しかしレーザー脱毛が非常に効果的なことがわかると今度は『レーザー脱毛したいけどエステがレーザーまで行うことはやはりまずい』と思ったのか光脱毛に乗り出しました。

しかしやけどなどを起こして問題となり、やはり違法だということで光脱毛を行っていたエステが散発的に摘発されていたのですが、いたちごっこなので、当局は光脱毛の機械をエステに販売していたところを摘発しました。これを受けて『やっぱり捕まるんだ』ということになり、危機感を感じた光脱毛の機械の販売会社がエステに光脱毛の機械や部品の販売を行わなくなりました。このため光脱毛を行えなくなったエステがバタバタと倒産しました。こうして大手のエステは光脱毛から撤退する事態になったのです。

レーザー脱毛は簡単に言えば毛の生えてくるもとをヤケドさせて破壊することにより毛が生えなくなるわけです。基本はヤケドですから適切に行っても頻度が少ないとはいえ、表面までヤケドをおこすことがありえます。逆にまったくヤケドをおこさないとしたら、非常に低出力なエネルギーで行っているということで脱毛効果が低くなり、多くの人が迷惑をこうむります。僕たちは医療として行っていますからヤケドをおこしても治療ができます。『じゃあ破壊しない低出力の光脱毛ならいいだろう』と都合のいい理屈をつけて効果の低い低出力の光脱毛をいまだに行っているところもあります。

僕の言うことをそのまま鵜呑みにすべて信じろとは言いません。
今や情報はたくさんある世の中ですから、インターネットで 『光脱毛 エステ 違法』という言葉で調べれば『エステでやってはいけない』とか『やってもいい』とかさまざまな情報が手に入ります。望めば自分で情報を得ることができるのです。
エステの存在価値がないといっているのではありません。治療効果を求めず、リラックスするとかお姫様気分にさせてくれるのが目的であればエステに行くのもいいと思います。ただ効果的な治療という観点からは医療機関での施術をおすすめします。


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レーザー脱毛裏話

今では誰もその効果を疑うことのないレーザー脱毛ですが、約10年前に登場した頃は歴史がなかったのでまだ効果がよくわかりませんでした。

その時に“浜村淳さん”が司会をされていたTV番組に出演したことがあるのですが、その際に『レーザー脱毛は永久脱毛ですか?』と訊かれて、正直な僕は『歴史がないのでまだはっきりしたことは言えません』とお答えしました。しかし現在では実際にはほぼ永久脱毛であると考えられています。

当時は脱毛の費用も現在とは比べものにならないくらい高かったのですが、脱毛用レーザーの機械本体の価格も高く、家が1軒買えるような価格でした。

『レーザー脱毛は一時的な脱毛で、永久でない』とキャンペーンを行ったエステもありましたが、実際の脱毛効果は高く、針脱毛に比べ、楽で、時間もかからず、安価で、副作用も少ないということであっという間にレーザー脱毛が普及したのでした。


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ワキガの手術を受けられた方が友人を紹介してくれました

3年半前に当院でワキガの直視下剪除法を受けられた方が、ワキガで悩む友人を連れてきてくれました。


いただいたアンケートです。

美容と健康の魔法の杖-ワキガアンケート

現在わきの臭いも汗も傷跡もまったく気にならないということです。

同時期に別のクリニックでワキガ治療を受けた友人(今回の友人とは別の友人です)が汗も臭いもまったく改善されておらず、次に連れてくることになると思うとのことでした。ワキガの場合は家族内で紹介を受けることは多いのですが、友人にはなかなか打ち明けられないことが多いようですので、今回のようにたくさん紹介していただくのは珍しいことです。ワキガの手術は実は最も手間のかかる手術の一つですが、その努力が実った感じがして感無量です。

ワキガ臭はゼロにし、汗も気にならない量に減らす手術をずっと追求してきました。以前の手術時間は1時間半くらいでしたが、このこだわりの結果、いろんな手順が多くなり、現在ではより手術には慣れているにもかかわらず、手術時間は逆に長くなり、多くの場合は2時間以上かけて手術を行っています。

美容整形は多くの方は人に知られないように受けられますので、紹介をいただくということは以前は非常に少ないことでした。それが最近はワキガにかかわらず、いろいろな分野でご紹介をいただくようになりました。ありがとうございます。インターネットでの口コミは事実のものもそうでないものもあるので、治療を受ける際には実際にクリニックに来院されてカウンセリングで充分説明を聞かれてからご判断されることをおすすめします。




旗 


   









今度は右のワキガ再手術です

先日 ワキガの再手術 のブログで紹介した他院で組織削除法を受けてすぐに再発された方です。

前回の再手術前には右は臭いは気にならず、左だけ気になるとのことで、左のみの手術を行いました。

しかし左だけ手術をうけてみると術直後から以前の組織削除法の手術と経過がまったく違い、臭いも汗もまったく気にならなくなったということでした。今回の手術前には右は気にならなかったのに、左がよくなったため逆に右が気になるようになったので今度は右を行いたいという強い希望で右の手術も行うことになりました(臭いも汗もないのは手術直後は当たり前で、半年くらい過ぎても臭いは戻りませんが、汗は少しでるようになります)。

右ワキをみると、表面上は毛もなく、明らかに汗腺が残っている感じではなかったのですが、手術を行ってみるとやはりアポクリン腺がたくさん残っていました。

話し好きの方で手術中にもいろいろ話されたのですが、以前手術を受けたところでは、スタッフが派手なお化粧でキラキラのアクセサリーをたくさんつけて『ここは医療機関なのか?』といぶかしく思ったが、当院は感じが違うとか、話を詳しくきいて当院は信頼できそうだと思ったので受けることにしたとかスタッフを自分のお兄さんの奥さんにしたいなどとお褒めの言葉?をたくさんいただきました。

まあキラキラアクセサリーでも再発さえしなければいいんですけどね。



   





手術後の通院は少ないほうが良い?

わきが術後4ヶ月目の検診がありました

もちろんワキガ臭はまったくなく、汗もかかないとのことで、毛もまったくない状態です

この時期としては当然の経過で特に意味はありません

この方の友人が同時期に他院で吸引法?(小さな穴をあけてガサガサとる方法と言われていました)の手術を受けられました

現在中心部はある程度毛が減っているが、周囲にドーナツ状に毛が残っていて、臭いも残っていそうだというお話でした

術後4ヶ月目でこのような状態は論外ですが、毛がなくなるかどうかというのも効果的な治療が行えているかどうかの判断の一つですが、術後検診もクリニック選びの判断の1つとなります

いいかげんな手術でも手術で傷つけたことによる影響で手術直後は臭いはなく、手術後6ヶ月くらいしてから再発がはっきりしてくるからです

このためいいかげんな治療を行っている場合には6ヶ月以上たってからは来て欲しくない、つまり術後検診をしたくないわけです

『術後あまり通わなくていい』と通院の少なさをアピールしていることがあります

『通院が少なくてすむ』と言えば聞こえがいいですが、実は通って欲しくないというのが本音です

術後6ヶ月以上たって再発がはっきりする時期になれば、通院時に『臭いが残っている』とクレームを言われるからです

『もう来なくていいよ』といわれると通いにくいようですが、それにしても再発があっても多くの方があきらめてしまうというのは驚きです(これは他院で手術を行ったが再発した方が多数来られてそう言われるのでわかるのです)

僕は少なくとも術後1年くらいはたまには検診をお受けになるようにおすすめしています

自分が行った手術の後がどうなっているのかを確認することは大切です

これは他の手術でも同様です(本当は再発することがないので確認することがうれしいのです)


   







ワキガ治療の現状にもの申す

今日ワキガのカウンセリングがありました

他院でもカウンセリングを受け、ワキガ手術の吸引法の話を聞かれたとのことで、その際に、『剪除法では奥まで汗腺がとれないので治らない』といわれたとのことで、唖然としました。そのクリニックでマイクロシェーバーという機械を使ったワキガ手術を受けた方が多数再発して当院で再治療を行っているのに、そこまでウソをつくのかとそのクリニックの姿勢にあきれ果てました

剪除法では一番深い奥までも目で確認しながら除去できます

実際に各種ワキガ治療を行ったことのある、あるいは知識のあるドクターのほとんどは剪除法が一番確実と考えています

僕はワキガ手術に女性でも2時間以上、男性の場合は3時間以上手術時間をかけて剪除法で手術を行っており、一人もワキガが再発された方はおられません

ワキガの方にワキガ手術を行ってワキガの臭いがなくならない とすればそのクリニック(ドクター)に

技術(やる気?)がないため治せないと考えてもらってかまいません

ワキガはアポクリン腺の層をきっちり除去すれば必ずなくなりますし、多汗はエクリン腺をきっちり除去すれば改善します

治らないとすれば

①除去する面積が足りない

②削る量が足りない(皮膚を薄く削っていない)

③はじめからワキガでない

④すそワキガである(陰部のワキガ)

かのどれかです

は別としてこれらを起こす原因としては

・目で見て確認しながら行っていないので取り残しがおこる

・汗腺を見分ける目がない 

・もともと知識がない

・除去する方法そのものがよくない

・あらかじめ決められた限られた短い時間内で行うことしかできない(予約を詰めすぎていてできない)

・しっかり手術するのがめんどくさい

・責任感がない(雇われ医者なので再発しても後は誰かが処理してくれるだろうと考えている)

などの理由が考えられます

吸引法で手術を行い、その都度再発して吸引法で4回再手術を受けられたにもかかわらず治らず、5回目に当院で剪除法を行ってやっと完治された方もおられます

組織削除法で手術を行ったものの再発して、2度目の組織削除法を行い、それでも再発してレーザー脱毛を勧められたが、そのクリニックでの治療はあきらめて当院で手術された方もおられます

レーザー脱毛ではワキガは治りませんし、しっかりワキガ手術を行えば、ほとんど脇毛はなくなります

手術前には『手術をすれば脇毛もなくなる』と言いながら術後に毛がたくさん生えてきたので、レーザー脱毛をすすめるという姿勢はどう考えてもおかしいですよね

治療を受けるクリニック(ドクター)は慎重に選ぶことが必要です





   






ワキガの再手術

こんにちは

今日は朝から 他院でワキガ手術をしたが再発し、その治療のための再手術 でした。他院で2回の手術を受けられているので、今回で3回目の手術です。

以前他院で かみそりのついたローラーで汗腺をそぐタイプのわきが手術 を受けられて、3ヶ月ほどで再発し、同じクリニックで同じ方法(2回目は違うドクターだった)で再手術を受けたが治らず、その後レーザー脱毛をすすめられたりしたが、結局邪険に対応され、手術をしたドクターもいなくなり、泣き寝入りをするしかなかったとのことでした。

当院では直視下剪除法といって、目で全てを確認しながら手術を行いますので取り残しがありません。このため開院以来再発したことがありません。

患者さんのワキを切開して内部を観察してみると、確かにたくさんアポクリン腺(ワキガの原因の汗腺)が残っていました。

残存したアポクリン腺の写真です。

こういったものに弱い人は見ないでくださいね。


美容と健康の魔法の杖-アポクリン腺


褐色にみえるものがアポクリン腺で内側寄りにたくさん残っていました。

外からワキを観察したときにはそれなりの手術はされているのかなと思いましたが、中をみてみるとこんな状態ですのでやはりすべての操作を目で確認しながら手術しない方法はダメだなと改めて思います。

もちろん脱毛もワキガ臭を治すことはできません。

患者さんは『はじめからここに来ればよかった』『子供にわきががでたらここで手術させたいが10年後も先生は現役ですか』と心配されていましたが、『半年して再発していないことをしっかり確認してから、そうおっしゃってください』と伝えました。

こういったことは実はよくあることで、いいかげんな手術であれば何回やってもなおらないのは当たり前で、多くの人があきらめていることに驚かされます。