わきが再発の治療法も剪除法しか考えられない

おはようございます。

さくら美容クリニック広島の院長 棒谷 です。

今回はわきが再発の治療法に関する話題です。

最も確実なわきが治療は直視下剪除法ですが、ワキガ治療を受けて再発した場合の治療法は剪除法しか考えられないと思います。

わきが治療を行うということはアポクリン腺の層を除去したり、アポクリン腺を焼いたりすることでダメージを与えて働きを少なくしたりしているのです。

このため治療を行ったあと皮下組織が炎症をおこし、皮膚と皮下組織(脂肪)の癒着(くっつくこと)が起こります。

わきがが再発した場合アポクリン腺を除去するためには残っているアポクリン腺の層と脂肪の間を剥がす必要があります。

剪除法の場合皮膚を反転しながらその境界を目で確認しながら脂肪に切り込まないようにはがして除去することが可能です。

しかし他の手術方法では、この層を正確に剥がすこともできませんし、アポクリン腺の確実な除去ができません。

目で確認せずに剥がそうとしても手術部位が硬くなっているために剥がせずに結局は剥がすべき層より深い脂肪の層が裂けてしまいます。

脂肪が裂けると神経を傷つけたりすることがありますし、除去する必要のない脂肪が除去する側に残ってしまいます。

除去すべき残っているアポクリン腺と前回手術による瘢痕と皮下脂肪が除去する側に残ってしまうと除去した場合脇がくぼんでしまったりします。

しかも瘢痕ごと残っているアポクリン腺を除去するのは、目で見て除去する剪除法でさえ慣れないと難しいのですが、他の方法ではこれをきれいに除去することはできないので結局ワキガが治らないことになります。

繰り返しになりますが直接目でアポクリン腺を除去できる剪除法がもっとも確実なわきが治療ですが、再発の場合は剪除法でないと治せないといっても過言ではないと思います。

 

わきが再発:3度目のワキガ手術

今回も他院術後再発のケースです。

九州の方ですが2回東京でワキガ手術を受けられています。

1回目は剪除法での手術で術後半年で再発、2回目の手術はクアドラカットでこちらは全く効果がなかったということでした。

再発がないという説明だったのでクアドラカットを受けられたそうですが、治っていないことを治療を受けたクリニックに伝えても『そんなことはない』と話がかみ合わず、効果がまったくなかったためもう一度クアドラカットを受けても無意味だと悟って今回は当院に来られました。

術前のワキの状態です。

ワキの脂肪がとられてへこんでしまっています。

剪除法で瘢痕ができて硬くなっているのにクアドラカットで無理やり吸引したためにアポクリン腺側ではなく、下の脂肪層がとられてくぼんでいるのです。ワキガ手術でなく脂肪吸引手術をしているようなものです。

剪除法の手術後は特に瘢痕がしっかりできるので剪除法でないと再度の手術は無意味だと思います。(僕は初回手術から効果の確実な剪除法しか行いませんが)

切開しアポクリン腺の層を露出します。

四方八方すべての方向に剥離しています。

すべて丁寧に剪除

そして丁寧にアンカー縫合

術前の状態と比べると非常に広くアポクリン腺を除去しているのがわかります。

今回の手術でワキガは治ります。

 

5回目のワキガ手術でした

これまで吸引法、レーザー、ミラドライ、クアドラカット法でワキガ治療を受けられていて、今回の剪除法で5回目のワキガ治療となります。

ワキの内部はさすがに4回治療を受けられているので瘢痕でいっぱいです。

瘢痕ごとアポクリン汗腺の層を除去

軟膏を塗ってしまっているので素の状態ではありません。

非常に広範囲にアポクリン腺を除去しています。

これまでの治療の影響で癒着が強く、瘢痕も多かったので時間がかかり、5時間を超える手術でした。