ミラドライはワキガ治療として承認されていません

ミラドライはワキガ治療として承認されているのでしょうか?

ミラドライは、皮膚の上からマイクロ波を照射し、腋窩の組織を加熱する治療です。

日本では承認を受けた医療機器ですが、承認されている使用目的は「原発性腋窩多汗症」であり、ワキガ(腋臭症)は承認適応ではありません。

この点については、厚生労働省およびPMDA(医薬品医療機器総合機構)が公開している資料で確認することができます。

腋臭症を対象とした臨床試験も行われています

ミラドライでは、腋臭症患者40人を対象とした臨床試験(CP-0012試験)が行われています。

この試験では、片方のワキをマイクロ波で治療し、反対側を無治療として臭いを比較しました。

治療した側の臭気スコアが無治療側より2点以上低かった患者さんの割合は、

・1か月後 66%
・3か月後 39%
・6か月後 36%

でした。

ここで注意が必要なのは、この「66%」は「66%の患者さんでワキガが治った」という意味ではないことです。

あくまで「治療側の臭気スコアが無治療側より2点以上低かった患者さん」の割合です。

1か月後には一定の臭いの減少が認められましたが、あらかじめ設定されていた臨床試験の成功基準を満たすことはできませんでした。

PMDAはどのように判断したのでしょうか?

2018年5月11日に開催された厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会」では、この点についてかなり明確な議論が行われています。

PMDAは、

「臭いに対しては臨床試験の達成基準を満たすことができなかった」

ことなどから、審査上、

「臭いの低減効果は認められなかった」

と結論づけています。

さらに委員から、

「これは汗が多い人のためのものであり、わきがの人には適応がないということでよろしいでしょうか」

と質問されたのに対して、PMDAは、

「御指摘のとおり」

と回答し、本品の適応は原発性腋窩多汗症であり、腋臭症については適応外であると説明しています。

【資料1】厚生労働省
「2018年5月11日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000200760_00004.html

【資料2】PMDA
「miraDryシステム 審査報告書」
https://www.pmda.go.jp/medical_devices/2018/M20180611001/340679000_23000BZX00161000_A100_1.pdf

「ミラドライでは臭いがまったく減らない」という意味ではありません

ここは誤解のないようにしておく必要があります。

PMDAも部会で、腋臭症を対象とした臨床試験について「全く効果がないというわけではなかった」と説明しています。

実際、臨床試験でも治療側では平均的な臭気スコアの低下が認められています。

米国FDAも、ミラドライについて、原発性腋窩多汗症の治療に使用した場合に腋窩臭を減少させることがある、という趣旨の評価をしています。

ただし、FDA資料の根拠となった臨床試験もCP-0012試験であり、主要評価項目は達成されませんでした。

【資料3】米国FDA
「miraDry System K160141」
https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf16/K160141.pdf

2018年以降にはミラドライに有利な研究も発表されています

2018年の日本での承認審査以降にも、マイクロ波治療によって腋臭が軽減したとする研究が発表されています。

2022年に発表された研究では、中等度~重度の腋臭症または多汗症患者10人を2年間追跡し、臭いと発汗の有意な改善が報告されています。

さらに組織学的な検討では、治療後にアポクリン腺の数が有意に減少し、残存したアポクリン腺についても分泌期から休止期への変化が認められました。

したがって、「マイクロ波はアポクリン腺には作用しない」「ミラドライではワキガ臭はまったく減らない」と断定することも、現在の医学的知見からは適切ではないと考えられます。

ただし、この研究は10例という小規模な研究であり、無治療の対照群もありません。

【論文1】Zhang Y, et al.
Clinical efficacy of microwave in the treatment of axillary osmidrosis and primary hyperhidrosis.
Dermatol Ther. 2022;35.
PubMed:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35726636/

アポクリン腺を直接確認して除去する外科治療

一方、ワキガに対する外科治療では、ワキの皮膚を切開して皮膚を反転し、皮膚の裏側に存在するアポクリン腺を直接確認しながら除去する方法があります。

当院で行っている剪除法もこの考え方に基づく治療です。

海外からも、アポクリン腺を外科的に除去する治療について良好な臭気改善成績が報告されています。

206例を対象とした研究では、平均18.1か月の経過観察において、97%の患者で臭気除去について良好な結果が得られたと報告されています。

【論文2】Qian JG, Wang XJ.
Effectiveness and complications of subdermal excision of apocrine glands in 206 cases with axillary osmidrosis.
J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2010;63:1003-1007.
PubMed:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19505859/

外科治療の再発率を調べたメタ解析

40の研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析では、腋臭症治療後の再発率について、

外科治療 3.0%
脂肪吸引 5.5%
レーザー 8.2%

と報告され、検討された治療カテゴリーの中では外科治療群の再発率が最も低い結果でした。

ただし、これは複数の外科的術式をまとめた解析結果であり、「剪除法を行えば再発率が3%になる」という意味ではありません。また、このメタ解析に含まれた研究は2016年2月以前に発表されたものです。

【論文3】Shin JY, et al.
Osmidrosis Treatment Approaches: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Ann Plast Surg. 2017.
PubMed:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27740956/

マイクロ波治療と外科治療を3年間比較した研究

その後、マイクロ波治療と外科的治療を長期間比較した研究も発表されています。

155人の腋臭症患者を対象として、マイクロ波治療と皮下掻爬術(subcutaneous curettage)の長期成績を比較した研究です。

治療3年後に有効な改善が認められた割合は、

皮下掻爬術 90%
マイクロ波治療 23%

でした。

また、報告された再発率は、

皮下掻爬術 21%
マイクロ波治療 39%

でした。

著者らは、腋臭症に対して皮下掻爬術の方がより有効な治療法であったと結論づけています。

ただし、この研究はランダム化比較試験ではなく、単施設の後ろ向き研究です。

また、ここで行われた外科治療は「皮下掻爬術」であり、当院で行っている剪除法そのものではありません。

したがって、この研究結果をそのまま「剪除法90%、ミラドライ23%」と解釈することはできません。

【論文4】Chen SQ, et al.
Comparison of Long-Term Effectiveness and Safety of Microwave and Surgery in the Treatment of Axillary Osmidrosis: A Single-Center Retrospective Study.
Dermatol Surg. 2022;48:126-130.
PubMed:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34856594/

現在分かっていること

以上の公的資料と医学論文から、現在分かっていることを整理すると、

・ミラドライは日本で承認された医療機器である
・日本で承認されている使用目的は原発性腋窩多汗症である
・腋臭症を対象とした臨床試験も行われたが、あらかじめ設定された成功基準を達成できなかった
・そのためPMDAは2018年の承認審査で、審査上「臭いの低減効果は認められなかった」と判断した
・一方、ミラドライによって臭いが軽減する患者さんがいることも報告されている
・2018年以降にも、マイクロ波による臭気改善やアポクリン腺減少を示す研究が発表されている
・しかし、これらの研究が発表された後も、日本において腋臭症がミラドライの承認適応として追加されたわけではない

ということになります。

「切らないこと」と「臭いを減らすこと」

切開を伴わない治療には、傷跡が目立ちにくいなどのメリットがあります。

一方、剪除法では皮膚を切開する必要があり、傷跡、血腫、感染、皮膚壊死、色素沈着、瘢痕など、外科手術特有の合併症が起こる可能性があります。

マイクロ波治療にも、腫れ、痛み、しびれ、硬結などの副作用が生じることがあります。また陰部へのミラドライ治療での死亡例も報告されています。

それぞれ治療方法も、期待できる効果も、身体への負担も異なります。

今は以前に比べると情報の収集がかなり容易になっています。

AIで検索するのも有効です。

「切らない」という点だけ、あるいは「効果」という点だけで治療法を決めるのではなく、それぞれの治療方法、期待できる効果、効果の限界、再発の可能性、傷跡や合併症などを十分理解したうえで、自分に合った治療法を選択することが大切だと考えています。

当院では、ミラドライを含め他院治療後再発の治療を多数経験しているため、効果を重視しワキガ臭の原因となるアポクリン腺を実際に目で確認しながら除去した上でできるだけきれいに治るような丁寧な剪除法を心がけています。

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開院以来再発なし
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ミラドライはワキガ治療として認可されていません

「ミラドライ」は、厚生労働省に認可された国内唯一のわきが・多汗症の医療機器です。

とよく広告されていますが、それは真っ赤な嘘です。

腋窩多汗症治療のみの認可であって臭いに対して認可はされていません。

そうした広告があまりに多くされているので、もしかしたら最近認可されたのか再確認しましたが、以前とかわらず厚生労働省が認可しているのはワキの多汗に対しての認可だけで、ワキガ治療器としての認可ではありませんでした。

そんなウソをついて公的に証明されているように装って利用し、信用させて治療していいのでしょうか?

過去のブログでも紹介しているようにミラドライで治らず困っておられる方はたくさんおられます。

ネット上でもミラドライで効果がなかったという情報があふれています。

効果が最も確実な治療は丁寧に行う直視下剪除法です。


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ソフウェーブはこういう原理でたるみが改善します(動画あり)

さくら美容クリニック院長の棒谷です。

お肉を焼いたり、煮たりすると縮みますが、ソフウェーブやウルセラは超音波を利用して組織を凝固させてたるみを治療しています。

本当なのか?

僕もそう思います。実際に効果がでているのでそうだとは思っているわけですが、凝固したところを見たことはありません。

そこでウルセラで実際に肉を凝固させる動画は以前にアップしていますが今回はソフウェーブの作用がわかりやすいようにお肉に照射してみました。

はじめに両面を見せてどちらも生の正常な状態を見せています。

その後ソフウェーブの上に肉を置き、その上から透明なプラスティックを当てて照射をはじめています。

徐々に熱がこもり、肉が凝固して白くなっています。

最後にお肉に当てている面を見せて生のままであることを見せています。

つまり顔の皮膚に当てた時には表面は凝固せずに、内部だけ凝固するのだというのを見せていることになります。

ソフウェーブの動画はこちら

比較のためのウルセラの動画はこちら

ソフウェーブのイラスト動画はこちら
 

撮影した動画中のソフウェーブは実際にヒトの皮膚に照射する出力より少し強めに照射したものです。

ウルセラは点で凝固され、ソフウェーブは線状(軸状)に凝固されます。

動画を見比べてみるとウルセラ(HIFU)よりソフウェーブの方が確かに広い面積が凝固しているのがわかると思います。

深さはウルセラの方が深くにまで届くので深い層はウルセラ、浅い層はソフウェーブが有効です。

肉を焼いたり、湯がくと肉が縮みます。つまりウルセラ(HIFU)やソフウェーブを当てて効果がないなどということはないのです。

HIFUなどを行って効果が低い場合は、もともとの肉が分厚い、照射出力が弱い、照射数が少ない、もともとの機械の性能が悪い、正しい場所にあたっていない、などなど理由があるのです。

ただし6月に『HIFUは医師が照射しないといけない』という通達が厚生労働省からでましたが、『凝固する=効果がでる=下手に行うと逆に副作用がでる』ということでもあるので注意は必要です。

当院ではソフウェーブもウルセラも安全に、そしてより効果がでるように僕が照射を担当しています。

 

若返り治療を説明していきます③

さくら美容クリニック院長の棒谷です。

今回は若返り治療の説明の第3回『美容機器によるたるみ治療』です。

たるみを美容機器で治す場合はどのような仕組みなのか?

原理は簡単です。

皮膚や皮下脂肪を縮めたり減らしたりすることでたるみを改善させます。

お肉を加熱すると肉が縮みます。まさにそのようなことを行うわけです。

それを超音波で行ったり、高周波(電気)で行ったり、レーザーで行ったりします。

この治療の代表は以前はサーマクールでしたが、今はウルセラなどの超音波を利用する方法がメジャーだと思います。

高密度焦点式超音波HIFU(ハイフ)ですね。

この分野を切り開いた優秀な機器がウルセラです。

ウルセラのいいところは実は糸のリフトアップのように皮膚や皮下脂肪を単にずらしているのではなく、引き締めて減量しているので、むしろある意味手術に近いと思います。この効果から僕も好んでウルセラ治療を行っています。

HIFUの最近の話題としては6月にHIFUは医師が行わないと医師法違反になるという通達が厚生労働省からでました。

通達はこちら

医師でない人がHIFUを行って非常に多くのが副作用・合併症が生じて問題になっているのです。

副作用がでる理由は知識・技術のない人が照射していることやウルセラは照射部位を画面で確認しながら照射するのですが、HIFUであっても確認画面がなく、どこに超音波があたっているのかわからない機種もありますし、そもそも正確な深さにあたる精密な器械でないものを使用しているということも理由だと思います。

HIFUのデメリットは強く行えば痛いことがあります。

痛くない新型HIFUというのは僕は信じていません。

『痛くない=弱い=効果が無い』ということだと思います。

ウルセラでも弱く治療できますが、効果がでないのは意味がありませんので僕は患者さんが我慢できる程度でできるだけ強く行っています。

ウルセラでは表面から4.5ミリ、3ミリ、1.5ミリの深さを治療できるのですが、効果のはっきりしない1.5ミリは僕は使っておらず、4.5ミリと3ミリのみを使用しています。

通常のHIFUでも1.5ミリで治療して確実な効果が出るとは思えません。

3年前からその浅いところ(深さ1.5ミリ)を強力に治療できる超音波治療器ソフウェーブができ、当院でも導入して患者さんにも好評です。

このため1.5ミリの層はソフウェーブで行っているわけです。

効果の出ないあるいは弱い治療は僕は好みません。

ワキガ治療もミラドライやビューホットなどは行わず、当院では剪除法しか行わないのは他の治療はワキガをきちんとなおせないからです。だからわざわざ広島の当院へ全国から患者さんが集まってこられているのです。

効果の高い治療を僕が好むのはワキガ治療も若返り治療も同じです。

しかも顔については傷を残さないことがより大切だと思いますので効果の高い美容機器治療を好んで行っています。

たるみとり治療のウルセラもワキガ手術も基本は同じです

さくら美容クリニック院長の棒谷です。

『たるみとり治療のウルセラもワキガ手術も基本は同じ』と言ってもこれだけでは何を言おうとしているのかわかりませんよね。

共通点は

1.どちらも効果がしっかりでる治療を行うようにしている

2.医師が治療を担当している

3.治療部位を確認しながら治療している

です。

1.さまざまなワキガ治療が行われているわけですが、効果が最も確実なのは剪除法であることは疑いの余地がありません。

このため当院ではワキガ治療に関しては切る治療である剪除法しか行っておりません。

ただ切る手術は傷跡が残らないとは言えません。

常に見られている顔に傷を残すのは誰しもが嫌なわけです。

だから切るフェイスリフトは多くの方が希望されないわけです。

そこで傷跡を残さずに効果を長期にしっかりだせるのがウルセラやソフウェーブなのです。

2.ウルセラはHIFUの1種でHIFUはさまざまなトラブルが起こっているために6月には医師が治療を行うように厚生労働省から通達がでたわけですが、HIFUもワキガ治療のミラドライも看護師が行っているクリニックもあると思いますが当院では以前からスタッフではなく院長である僕がウルセラを照射をするようにしています。

たるみ治療は彫刻と同じですので、効果があるということは引き締める場所、引き締めない場所、引き締める程度などを考えながら治療することが必要なのも僕が担当する大きな理由のひとつです。

当院のワキガ治療も過去のブログをご覧いただくとわかりますが、他院術後の再発は非常に多く、効果が確実であるはずの剪除法での再発もかなりみられます。医師が行うのはもちろんですが誰に治療してもらうのかが非常に重要です。

3.ワキガの原因であるアポクリン腺をきちんと目で確認しながら行う治療は剪除法しかありません。

ワキガの臭いを治すためにワキガ治療を行っているのにワキガの臭いが残るのは意味がありません。

しかも傷跡を残さないと説明しながら傷跡を残し、臭いも治らないミラドライ治療を行っているところがあるのには驚きます。

ウルセラなどのHIFUもわざわざ厚生労働省が通達をだしているのはやけど(凝固)させてはいけないところをやけどさせているためです。照射画面を備えていないHIFUが多い中、ウルセラは照射画面を備えています。僕がウルセラ照射を行っているときには照射する肌も照射画面もどちらも見ながら照射を行っています。

できるだけ安全にできるだけ高い効果をだすことが大切です。