美肌治療のこれまで①その2

こんにちは


医療レーザー脱毛のつづきです 


今回は各種レーザー脱毛器の説明です


1つ目はサイノシュア社のLPIRと呼ばれるロングパルスアレキサンドライトレーザーで


波長755nm 主なパルス幅は20msec


以前のブログのグラフでも説明しましたが、脱毛用レーザーの波長755~800nmあたりは黒に吸収されやすい


波長で、深さもある程度深く届く、そしてロングパルスの名前通り20~40msecという長いパルス幅ということで周


囲に熱の影響が及ぶ


ということで、毛が熱せられることによって発生した熱が毛の周囲にある毛の生える元にダメージを与えて毛が生


えなくするという脱毛用の条件に合致していました



2つ目は冷却ガスを吹き付けることによって痛みなどの副作用を軽減したキャンデラ社のGentleLASEと呼ばれ


るロングパルスアレキサンドライトレーザーです


波長755nm パルス幅は3msec 


当初はパルス幅が短めなので効果が不安視されていましたが大きな問題はなかったようです


他のレーザー脱毛の機器が厚生省未承認で個人輸入されていた中、皮膚良性色素性疾患治療用のレーザーと


して日本で医療機器として申請されて認められたため(脱毛用として認められていたわけでない)、リースしやす


いということもあり、保険診療を行っているクリニックで多く導入されました


ただ本来承認された良性色素性疾患つまりシミですが、これに対する治療としては、いろんな意見があると思い


ますが、Qスイッチのように深くまでダメージ少なくとるでもなく、光治療のような広範な治療効果でもなく、炭酸ガ


スレーザーのように確実に削れるわけでもなく、中途半端な印象はあります



3つ目はルミナス社のライトシェアと呼ばれるダイオードレーザー


波長800nm 主なパルス幅30msec


接触型の冷却装置で圧迫を加えながら、確実に冷却し、うぶ毛にも効果的と評価され、広く普及しており、僕もこ


れを使っています



美容と健康の魔法の杖-ひげ脱毛前

美容と健康の魔法の杖-ひげ脱毛後

僕の 鼻下 あご の脱毛前後の写真です


あまり熱心には治療していませんが、それでも口周りの青くみえる毛がわからなくなっています


スタッフには以前は泥棒のさし絵によくかかれるような口周りのひげだったと笑われています(*⌒∇⌒*)



その後はダイオードに高周波を加えたものや、ロングパルスYAGレーザーなども登場していますが、これらは痛


みが強いためかあまり広がっている印象はありません


言葉の問題ですがアレキサンドライトやYAG、ルビーレーザーはQスイッチというパルス幅の短いレーザーがあ


るのですぐ判別がつくようにロングパルスという言葉がつくことがありますが、ダイオードはロングパルスのものし


かありませんのでロングパルスではありますが、そういう接頭語はつきません


もともとの完成度が高かった(条件が優れていた)のか、脱毛レーザー自体には最近大きな進化はないように思


います


しかし医療脱毛レーザーが優れていることは疑いようがなく、現在も定番の治療として広く行われています




 旗 

   

美肌治療のこれまで①

こんばんは


今日は 肌の治療についての 歴史について振り返ってみたいと思います


僕が感じるいくつかの大きな波がありました


まず1997年ごろよりはじまった レーザー脱毛 のブレイクです


それまで脱毛は 針脱毛 が行われており


痛い、時間がかかる、術者の技量によって効果悪かったりや副作用がおこる


といろんな問題がありました


それが短時間で脱毛可能で、痛みも少なく、効果も確実なレーザー脱毛が導入されました


エステの中には『レーザー脱毛は一時的な脱毛で永久ではない』というキャンペーンをひろげたところもありまし


たが、現在の普及をみてもわかるように、実際のところ『医療レーザー脱毛』の効果は高いものでした


当時レーザー脱毛機は1台3000万円もしたのですが、これが飛ぶように売れたのです



美容と健康の魔法の杖

きたないですが、現在の僕の下腿の写真です 


レーザー脱毛の効果を確かめるために当時実験した跡です


四角く何箇所も毛が生えていない部分がレーザー脱毛の部位です


出力をかえたりなど条件をかえながら、境界がわかるように、レーザー脱毛を3回行いました


10年以上経過しましたが、レーザー脱毛の効果は確かに高く、脱毛部は毛が生えないままです (>_<)



   










最近の光・レーザー治療の進化


美容皮膚のお勉強講座③光治療編 でお話しましたがフォトRFはもともとオーロラ S


R(580~980nm)だけであったものが、しみや赤ら顔への効果を高くしたアドバンス SR


A(470~980nm)が登場し、これで効果は高くなりましたが、それでも深いシミには効果


が低く、Qスイッチルビーレーザーのような効果をだすことはできませんでした


Qスイッチルビーレーザーはガーゼを当てることが必要で、炎症後色素沈着といってしば


らく黒くなることがありますので他人にわからないように治療するということができませ


んでし


つまり他人に気づかれずに深いシミを治すことができなかったのです


しかしこれも新しいQスイッチYAGレーザーの登場によって他人に気づかれずに深いシ


ミを治すことが可能となりました


QスイッチYAGレーザー自体は実は新しい機器ではありませんが、QスイッチYAG


ーザーの能力がアップしたため可能となったのです


レーザー光線の出方は実は真ん中のエネルギーが強く、周辺部が弱いガウシアンと呼ばれ


るものでした


このためレーザーをシミに当てるときに強く当たるところと弱く当たるところができて消


え方にムラができたのです


最新のレーザーではトップハットといって均一にレーザーがでるようになっています


これにより強い出力でレーザーを当てることができるようになり、安全に効果をだすこと


ができるようになっています


以前弱くQスイッチYAGレーザーを当てていた時代にはレーザーピーリングと呼ばれて


いたのですが、最近では強くレーザーを当てる方法がレーザートーニングと名づけられて


治療されています


これにより今までの光治療でとることができなかったシミも他人に気づかれずに除去でき


るようになりました


美容の進歩は非常にはやいですね





   


ありがとう 感謝します

ありがとう

 

感謝します

 

いい言葉ですね

 

ご存知だと思いますが、五日市 剛さんの講演録 『ツキを呼ぶ魔法の言葉』で有名になりました

 

はじめての人は読んでいただけば泣けますよ

 

日々さまざまな治療をしているわけですが、しあわせそうな人の方がより効果が高い印象を受けます

 

『病は気から』というのもそれなりに真実のようですし

 

笑いは免疫を上げることもいわれています

 

僕たちは好きな仕事をして生活の糧を得られるのだからしあわせです

 

ありがとう

 

感謝します

 





 

 

 

   

美容皮膚のお勉強講座③光治療編

今日の美肌治療のブームはフォトフェイシャルによる光治療からはじまりました。

ダウンタイムなく(跡がつかないので他人にわからない)、しみ・赤ら顔・くすみ・毛穴・小じわを治療できるものとしてフォトフェイシャルが登場し、人気を博しました。

こうした光治療の長所は

1.レーザーのような単一波長の光でなく、例えばフォトフェイシャルだと560-1200nmまでの広範囲な光(ブロードバンドな光)なので、メラニンに反応する光の領域だけでなく、590nm周辺の赤みに反応する光、もっと長波長の水分に反応する光までを含むので、しみ・赤ら顔・くすみ・毛穴・小じわなどに多彩な効果がある

2.強いレーザー治療と違い、ガーゼを貼る必要もなく、ダウンタイムがほとんどないので、他人に治療を気づかれない

3.一度に顔全体を治療できる

そして逆に短所は

1.1度で改善できることは限られるので複数回の治療が必要

2.レーザーのように深くにまで届かないので、深いシミには効果がない

ということです。

広島院ではフォトフェイシャルの開発者がさらに進んだものをということで開発したフォトRFを使用しています。

この機械はフォトフェイシャルに似た580~980nmの光に加え、高周波を併用しているので、高いエネルギーを安全に皮膚に届けることができます。光だけで高いエネルギーを与えようとすると、光は黒いものに吸収されやすい性質があるので、皮膚が何らかの要因で黒い場合ヤケドをおこすことがありました。高周波は皮膚の色には左右されないので、高周波も併用することによって、より安全に効果を高めることができたのです。

広島院のフォトRFは最上級機ですので

通常のオーロラと呼ばれるフォトRFSR(580~980nm)だけでなく

アドバンスとも呼ばれるSRA(470~980nm)

脱毛用のDS(680~980nm)

リファームと呼ばれるST(700~2000nm)

も装備しています。

SRAはSRより110nm分短い波長領域の光も含み、黒や赤により反応し(前回までの波長とパルス幅の話を覚えておられますか?)さらにパルス幅(光が照射される時間)も半分程度になっているので(つまり強力な光が出るので)しみや赤ら顔への効果がより高くなっています。

STは主に水に吸収される領域の光ですので、しみなどへの効果はほとんどありませんが、真皮を熱することにより、コラーゲンを作り出し、しわやたるみを改善させます。

このように簡単に幅広い治療ができるのがフォトRFによる光プラス高周波治療の特徴です。






   


ワキガの再手術

こんにちは

今日は朝から 他院でワキガ手術をしたが再発し、その治療のための再手術 でした。他院で2回の手術を受けられているので、今回で3回目の手術です。

以前他院で かみそりのついたローラーで汗腺をそぐタイプのわきが手術 を受けられて、3ヶ月ほどで再発し、同じクリニックで同じ方法(2回目は違うドクターだった)で再手術を受けたが治らず、その後レーザー脱毛をすすめられたりしたが、結局邪険に対応され、手術をしたドクターもいなくなり、泣き寝入りをするしかなかったとのことでした。

当院では直視下剪除法といって、目で全てを確認しながら手術を行いますので取り残しがありません。このため開院以来再発したことがありません。

患者さんのワキを切開して内部を観察してみると、確かにたくさんアポクリン腺(ワキガの原因の汗腺)が残っていました。

残存したアポクリン腺の写真です。

こういったものに弱い人は見ないでくださいね。


美容と健康の魔法の杖-アポクリン腺


褐色にみえるものがアポクリン腺で内側寄りにたくさん残っていました。

外からワキを観察したときにはそれなりの手術はされているのかなと思いましたが、中をみてみるとこんな状態ですのでやはりすべての操作を目で確認しながら手術しない方法はダメだなと改めて思います。

もちろん脱毛もワキガ臭を治すことはできません。

患者さんは『はじめからここに来ればよかった』『子供にわきががでたらここで手術させたいが10年後も先生は現役ですか』と心配されていましたが、『半年して再発していないことをしっかり確認してから、そうおっしゃってください』と伝えました。

こういったことは実はよくあることで、いいかげんな手術であれば何回やってもなおらないのは当たり前で、多くの人があきらめていることに驚かされます。





美容皮膚お勉強講座②

こんにちは

今回は復習をかねて、前回の内容を違った書き方で書いてみます。

前回は光(レーザー)の波長と照射時間(パルス幅:光がでている時間)が重要だというお話でした。

まず波長については

・色への吸収効率が波長によって異なる

・波長が長くなるほど深く到達する(1000nmくらいまで)

・レーザーは単一波長の光で直進性が強い

ということで前回のグラフを違った書き方にしてみると



波長(nm)

レーザーの種類

吸収されやすい色

532

YAG半波長

赤、黒

595

dye

赤、黒

694

ルビー


755

アレキサンドライト


800

ダイオード


1064

YAG

(黒、赤、水)

10600

炭酸ガス




となります。


照射時間(パルス幅:光がでている時間)については

 照射時間が msec以上の長いレーザー(標的が大きなもので熱損傷を与えて                         

                                治療)


レーザーの種類

治療対象

dye

血管

アレキサンドライト

脱毛

ダイオード

脱毛

炭酸ガス

脂漏性角化症、ホクロ



照射時間が短い nsec のレーザー(周囲に熱損傷を与えず治療)

 Qスイッチレーザー(Qルビー、Q-YAG、Qアレキサンドライト)

 治療対象:老人性色素斑、太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス(遅発

      性太田母斑様色素ADM)、刺青

                                            となります。

やっぱり難しい・・・・ですよね。

しかしこういった基本が的確な治療をする上では大切です。
もちろん的確な診断があってのことですが・・・


美容皮膚お勉強講座①

こんにちは

今日は少し難しい話です。

できるだけやさしく説明しますのでゆっくり読んで下さい。

これがわかると治療の理論がわかって、一番いい治療がわかるので、自分が治療を受ける時に、賢く選択して治療を受けることができるようになります。

肌の成分のうちメラニンは黒く、酸化ヘモグロビンは赤いのでシミを消すためには黒いもの(メラニン)を標的として治療し、赤みを改善するには赤いもの(血管)を標的として治療すればいいわけです。



美容と健康の魔法の杖 グラフはクリックして拡大してみてくださいね


これは光の吸収の度合いをあらわすグラフです。

光には波長(波の長さ)があり、波長により黒や赤への吸収されやすさが異なるのです。

ここが少しわかりずらいかもしれませんが

グラフの上に行くほど吸収の度合いが大きく、波長は右へ行くほど長くなるので

例えばメラニンはだいたい右下がりの線ですので波長が短い方が吸収されやすく、波長が長くなるほど吸収されにくくなっています

じゃあ、しみは400とか500nmとかの吸収されやすい波長の短い(数値の低い)光で治療すればいいのではないかと思われるかもしれませんが、波長は長くなるほど皮膚の奥深くまで届き、短いと深くにまで届きません。

つまり波長は長すぎても短すぎてもダメでバランスが大切なので、通常最も効率よくシミ治療ができるのは ルビーレーザーの波長(694nm)とされています。

しかもQスイッチルビーレーザーと呼ばれるQスイッチつきのレーザーが用いられるわけですが、これは一瞬の間に高いエネルギーを出すことのできるレーザーです。

高いエネルギーをじんわり時間をかけて照射すると周囲の正常な組織にもダメージを与えてしまうので、これを避けながら高いエネルギーを与えるためにQスイッチという装置がついているのです。

レーザーが照射される時間がQスイッチはns(ナノ秒),その他のノーマルレーザーではms(ミリ秒)と1000000倍照射時間が違い(1ns=0.000001ms)、Qスイッチレーザーは2億分の1秒といった短い時間だけレーザーがでているのです。

このためシミ治療にこだわるドクターはQスイッチルビーレーザーを必ずクリニックに導入しています。

逆に脱毛目的であれば逆に毛を破壊するだけでなく、その周囲の毛の生えるもとにダメージを与えるためにmsレベルの長い照射時間でしかもさらに皮膚深くに届くダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザーを使用するわけです

またこのグラフには載っていませんが波長10600nmの炭酸ガスレーザーは黒に吸収するとか、赤に吸収されるとかの選択性がなく、水分があるところを蒸発させてしまうので、ほくろなどのぶあつい病変に用います。

どうでしょうか?やっぱり難しいですよね。

長くなるとよけいわからなくなるので今日はこのくらいにしようと思います。





         









驚異の効果 セルリバイブジータ

美容医療の進歩は一般医療以上に非常に早く、毎年さまざまな新しいモノを導入するわけですが、昨年導入した中でベストのものは セルリバイブジータ という PRP治療です。

自分の血液から採取した血小板と白血球に一部薬を加え、注入する治療法です。

今では切らないたるみとりがたくさんあるのですが、目の下のたるみにここまで効果的なものは今までありませんでした。

実はこの治療の導入には慎重でした。

セルリバイブジータはPRP(platelet rich plasma・多血小板血漿)治療の1種なのですが、PRPは歯科の分野ではかなり前から使われていたようですが、美容の分野へは約3年前に導入されました。

当時当院も導入して、まず自分やスタッフの施術を行ったのですが、明らかな効果はみられず、当院ではメニューに加えることはしませんでした。

このため新しいセルリバイブに対しても懐疑的だったのです。

しかし学会などで開発者のドクターとも充分話し合い、まず自分たちに施術したところ高い効果がみられました。

すでに導入して1年以上経ちましたが、患者さまの効果の実感が非常に高い治療です。

下の写真のように自ら施術して高い効果を確認しています。

PRP治療は使用するキット(試験管)や方法により、大きく効果がかわります。

よく情報収集してから施術をお受けください。


美容と健康の魔法の杖-約3年前の目元   約3年前のセルリバイブジータの写真


美容と健康の魔法の杖-セルリバイブ後の現在の目元   セルリバイブジータの現在の目元



はじめまして

はじめまして

今日ではインターネット等を通じてさまざまな情報を入手できるようになりました

10年くらい前とくらべると隔世の感があります

しかし逆に情報が多すぎて何が本当にいいのかわからないので困ってしまうというようなこともおこっていると思います

美容治療もただ言われるがままの治療を受けるのではなく、受けられる方の側もある程度勉強していただけば、より効果の高い治療が賢く受けられると思います

こうした情報を含め、日々のことなどをつづっていきたいと思います

『美容と健康の魔法の杖』はそうありたいという気持ちを込めてクリニックのスタッフと相談して決めました

23日には 脳と栄養のシンポジウム に参加してきました

分子整合栄養医学という学問に基づいた治療を行うグループの学会の1つとして行われました

統合失調症やうつ病その他の精神疾患も栄養改善等によりかなり効果を示すことが報告されていました。

おもいッきりテレビや主治医が見つかる診療所等にTV出演されており、著書もたくさんある姫野友美先生も発表されていました。

分子整合栄養医学はノーベル賞を2つ受賞したライナス・ポーリング博士が創始したもので、今急速に広まっている癌に対する高濃度ビタミンC点滴療法も分子整合栄養医学の一部です。

〝そんなの美容と関係ないんじゃないの〟と思われるかもしれませんが

栄養はからだや心と密接に関係しており、美容も例外ではありません

分子整合栄養医学ではまず採血を行って、ビタミンやミネラル、タンパクや糖質、脂質などを含め、さまざまなからだの状態をチェックし(ビタミン濃度を測っているのではありません)、詳細に解析し、その結果に応じて栄養治療を行っています。

1例をあげれば

生理のある年代の女性は鉄欠乏であることが多く、鉄不足の改善により多くの愁訴がなくなります。

亜鉛も日本人は不足しやすいミネラルですが、皮膚や粘膜など代謝の激しい部位に必要です。

ビタミンAも皮膚の分化にかかわり、ニキビ治療にも用います。

当院でも約3年前から分子整合栄養医学に基づいた治療を行っています

人間(からだやこころも)はひとつですので、現代では 美容外科 皮膚科 内科 といったような垣根を取り払った治療が求められています。