2009年08月29日
こんにちは
今日は少し難しい話です。
できるだけやさしく説明しますのでゆっくり読んで下さい。
これがわかると治療の理論がわかって、一番いい治療がわかるので、自分が治療を受ける時に、賢く選択して治療を受けることができるようになります。
肌の成分のうちメラニンは黒く、酸化ヘモグロビンは赤いのでシミを消すためには黒いもの(メラニン)を標的として治療し、赤みを改善するには赤いもの(血管)を標的として治療すればいいわけです。
これは光の吸収の度合いをあらわすグラフです。
光には波長(波の長さ)があり、波長により黒や赤への吸収されやすさが異なるのです。
ここが少しわかりずらいかもしれませんが
グラフの上に行くほど吸収の度合いが大きく、波長は右へ行くほど長くなるので
例えばメラニンはだいたい右下がりの線ですので波長が短い方が吸収されやすく、波長が長くなるほど吸収されにくくなっています
じゃあ、しみは400とか500nmとかの吸収されやすい波長の短い(数値の低い)光で治療すればいいのではないかと思われるかもしれませんが、波長は長くなるほど皮膚の奥深くまで届き、短いと深くにまで届きません。
つまり波長は長すぎても短すぎてもダメでバランスが大切なので、通常最も効率よくシミ治療ができるのは ルビーレーザーの波長(694nm)とされています。
しかもQスイッチルビーレーザーと呼ばれるQスイッチつきのレーザーが用いられるわけですが、これは一瞬の間に高いエネルギーを出すことのできるレーザーです。
高いエネルギーをじんわり時間をかけて照射すると周囲の正常な組織にもダメージを与えてしまうので、これを避けながら高いエネルギーを与えるためにQスイッチという装置がついているのです。
レーザーが照射される時間がQスイッチはns(ナノ秒),その他のノーマルレーザーではms(ミリ秒)と1000000倍照射時間が違い(1ns=0.000001ms)、Qスイッチレーザーは2億分の1秒といった短い時間だけレーザーがでているのです。
このためシミ治療にこだわるドクターはQスイッチルビーレーザーを必ずクリニックに導入しています。
逆に脱毛目的であれば逆に毛を破壊するだけでなく、その周囲の毛の生えるもとにダメージを与えるためにmsレベルの長い照射時間でしかもさらに皮膚深くに届くダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザーを使用するわけです。
またこのグラフには載っていませんが波長10600nmの炭酸ガスレーザーは黒に吸収するとか、赤に吸収されるとかの選択性がなく、水分があるところを蒸発させてしまうので、ほくろなどのぶあつい病変に用います。
どうでしょうか?やっぱり難しいですよね。
長くなるとよけいわからなくなるので今日はこのくらいにしようと思います。
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