おすすめの毛穴治療は?

今のところはeマトリックス治療です。

高周波で皮膚の表面を部分的に(点状に)やけどさせて引き締める方法です。

考え方としてはフラクショナルレーザーと同じ部類に入る治療となります。

フラクショナルレーザーを考え出しはじめて市場に登場したのが『フラクセル』というレーザーです。

当院でもかなり以前は『フラクセル2』を使って治療を行っていました。

その後さらに効果が高いものを行いたいと考え導入したのが『ブリッジセラピー』でした。

これは炭酸ガスフラクショナルレーザーでその炭酸ガスフラクショナルレーザーの中でも能力の高く、

点状にやけどさせる部分が小さいため高出力で行えたのですが、高出力で行うと効果が高い反面、色素沈着などのダウンタイムが長くなるのが弱点でした。またブリッジセラピーのように小さくやけどできない安価な炭酸ガスフラクショナルレーザーはさらに副作用が大きくなるので、より出力を弱めるしかなく効果が低くなります。

そしてその後行うようになったのが高周波で皮膚を引き締めるeマトリックス治療です。

部分的に皮膚をやけどさせるわけですので3~4日治療部位が赤くなりますが、効果は高くいろんな毛穴治療を行ってきた方にも好評です。

弱点は目のきわきわまでは照射できないことですが、毛穴やちりめんじわ、ニキビ跡治療としては最も優れている治療だと思います。

今できたりつぶれたりしている活動性のニキビにも効果的なことが多く、いろんなニキビ治療を行ったけれど効果がないと言われる方にも行うことがあります。

安価なフラクショナルレーザーで毛穴やニキビ跡を10回くらい治療したけれど効果がないと言われる方でも『eマトリックス』を1回行うだけで効果を感じられることが多いと思います。

先日ニキビ跡に何年もにきび治療薬のディフェリンを塗っても効かないと言っておられる方がいましたが、ディフェリンは今できたりつぶれたりしている活動性のニキビの治療薬でニキビ跡のくぼみには効かないと思います。

ニキビの治療方法は以前に比べ、かなり進化しています

10年くらい前までは日本のニキビ治療は世界標準から大きく遅れていて、その頃まではニキビ治療といえば、菌を殺す薬を飲んだり、塗ったり、イオウを含むローションで乾燥させるというような具合で、今は標準治療薬のひとつとなっているディフェリンが使えませんでした。

ディフェリンはビタミンAの仲間で、弱いピーリング作用があり、皮膚の代謝を正常化させる作用があります。

ディフェリンが登場する前は、ケミカルピーリングが、美容のクリニックで広く行われていて、その効果に気づいた皮膚科の先生にも広く使われていました。

ディフェリンが保険で使用できるようになった当初は皮膚科の先生も慣れていなかったようで、患者さんに『保険でディフェリンが使えるようになったからまずは保険診療を受けてみるのがいいよ』と患者さんに説明して紹介しても、当の皮膚科では使用してもらえないというようなことがよくありました。

今ではディフェリンの認知もすすみ、 過酸化べンゾイル なども加わって、そうしたことはなくなりました。

皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン

ただやはり保険診療ではニキビ跡のくぼみはなおせませんし、ニキビがひどい場合にはなかなかニキビをコントロールできないこともあると思います。

ひどいニキビの場合はビタミンAの薬の内服が効果があるのですが、国内では認可されておらず、肝障害や精神障害、妊娠すれば奇形児ができてしまうなど様々な副作用があって使いやすい薬ではありません。

しかし治療方法の進化によって、保険診療では使用できない機器を使った治療でにきびやニキビ跡をかなり治せるようになっています。

ただ自費診療は高額になりがちですので、標準治療で改善が見込めそうなケースは無理に当院での施術をおすすめせず、まずは保険診療での治療をおすすめすることもあります。

ニキビ治療希望で来院された方にまずは保険診療でのニキビ治療を受けてみられることをおすすめすると『なぜ?』とよくわからないような顔をされることがあるのですがそのような事情があります。

もちろん費用がかかっても問題ないということであれば、より早く治せる方法はあります。