3回目のワキガ手術

11月にブログに書いた方のワキガ手術がありました。

2回目の手術だとワキガが治せない??

1度目は吸引法、2回目は剪除法

今回当院で手術した方法も剪除法です。

今回の手術は範囲が広かったことと前回の瘢痕のためにより分厚く除去する必要があったために4時間を超える手術となりました。

今回の手術でワキガが治ることは確実です。

なぜならアポクリン腺がしっかり残っているのが確認でき、それをすべて除去したから。

ワキガ治療を受けた時にまた臭いがする場合は、ワキガが治ったものが再発するのではありません。

手術によるケガの影響で臭いが一時的に改善したように思えてもアポクリン腺の取り残しがあるとケガの影響がなくなる半年~1年以降にまた臭いが気になるようになるのです。

再発ではなく、手術が不十分でもともと取り残しがあるのです。

それは単なる手術技術の問題です。

手術時間の短さを競っていません

新年の仕事始めの日から4日間連続してワキガ手術がありました。

通常のワキガ手術は2時間半くらいの手術ですが、4時間くらいかかった方が2人もおられました。

『手術時間が短くて楽ですよ』というようなすすめかたは僕たちはしていません。

短い時間の方が楽なのは患者さんより、集中して手術をしている僕たちの方です。

時間が長いと当然疲れます。

でも確実に治すために丁寧に手術を行うために必要な時間は必要です。

時間が長くなっても再発がないように丁寧に手術を行います。

一般的には男性の方が体格がいいので、ワキの手術範囲も広く、女性の方が狭いわけですが、女性でも手術範囲の広い方が続きました。

アポクリン腺の存在する範囲は大まかには毛の生えている範囲です。

手術前にあらかじめマークをつけてだいたいの手術範囲を意識しながら行います。

直視下剪除法では汗腺を目で見て確認しながら手術しますので、もちろんマーク外に汗腺があってもわかりますので確実に除去できます。

今回のケースはマーク外の範囲にも広くアポクリン腺があり、それを除去したために手術時間が長くなりました。

丁寧に確実にアポクリン腺を除去したので、これで今後ワキガに悩むことはありません。

わきが無再発記録更新中

今年も終わろうとしていますが、今年も当院でわきが手術後誰も再発された方はおられませんでした。広島では11年以上再発がないことになります。

わきが手術は術後ある程度制限がありますので、年末年始など長期の休み付近には治療される方が多くなっています。

ワキガは常染色体優性遺伝ですから、家族の中で何人も手術を受けられていることも多くあります。

他院再発後の治療のケースですが、姉妹で他院で手術を受け、どちらも再発して当院で手術して完治しているケースもあります。

『どちらかが再発したのなら手術を受けなきゃいいのに』と思われるかもしれませんが、半年くらいしてから再発したことがわかるケースもあるのでそうしたことが発生してしまいます。

まずお母さんが手術を自ら受けられて、経過などを確認されてその後お子さんが受けられることも多くあります。

当院での手術前の説明では、単に再発しないという説明ではなく『これまで誰も再発されていないので、再発しないと思います。』という説明をさせていただいています。

治療を受ければわきがの臭いが9割の人が気にならなくなると説明して、実際には9割の人が治らなかったとしても患者さん側からはわかりません。

でも当院のようにこれまで再発がないと説明していれば、誰かひとりが再発するだけで問題となるはずですよね。

直視下剪除法にこだわるのはそれが唯一再発のないわきが治療を行える方法であると考えているからです。

 

 

わきが手術後7年半目の検診

わきが手術を行ってから、7年半目の検診をする機会がありました。

『臭いも汗も治ったままの状態が保たれている』ということでした。

手術後ある程度時間が経つとほとんどの方は検診に来られなくなります。

術後長期間たった方の検診ができる時には、『臭いや汗は気になりませんか?』と必ずこちらからたずねるようにしています。